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日本語 Top » フィールド言語学 » コエ語族調査のための語彙調査票の作成

1.プロジェクト名:コエ語族調査のための語彙調査票の作成

2. 内容概略:
多くのコエ語族が話されているボツワナでのフィールドワークにおいて利用価値の高い、調査媒介言語(ツワナ語)訳のついたコエ諸語基礎語彙調査票を作成 する。ボツワナにおける現地調査の準備のために、ツワナ訳の語彙項目の音声を録音・編集し、利用の便宜を考えた語彙資料体に加工する。

3. 事業推進担当者:中川裕

4. 研究協力者:アンディ・チェバネ教授(ボツワナ大学)

5. 進捗状況:
第一段階として、アジア・アフリカ言語文化研究所の『基礎語彙調査票』を用いて,約1000項目のツワナ語訳基礎語彙項目を抽出し、ボツワナ大学の言語学者Andy Chebanne教授との共同作業で,これを編纂した。また、Chebanne氏による、その1000語彙項目の録音をすべて終了した。
この録音は、電子ファイルに編集し,語彙目録の書式を整えるためのラベル付けをした。
その後、第2段階として、事業推進担当者がassociate partnerとして参加している、国際プロジェクト「Kalahari Basin Area」(http://www2.hu-berlin.de/kba/)で導入されたコイサン基礎語彙調査リスト800項目を考慮して、さらに、調査語彙の厳選を行った。さらに、それを用いて、未調査のコエ語であるハバ語(≠Haba)の基礎語彙調査を行い、すでに語彙調査が進んでいるコエ語(グイ語やナロ語)との比較研究に用いた。そして、現在、今後の改善のための考察を進めている。


6.成果物:
【コエ語族基礎語彙比較による音韻史再建の成果】
Nakagawa, H. (2011) Genetic affiliations of ≠Haba and Tshila, The 20th International Conference of Historical Linguistics, 国際会議, ICHL20 Organizing Committee, Minpaku, Osaka, July, 2011.

Nakagawa, H. (2011) ≠Haba Tonology: a Preliminary Report, The 4th International Symposium on Khoisan Languages and Linguistics, 国際会議, Rainer Vossen, Institut für Afrikanische Sprachwissenschaften, Goethe Universität, Frankfurt am Mein, Riezlern/Kleinwalsertal, July, 2011.

【コエ語族の語彙意味論的研究の成果】
Nakagawa, H. (2012 in press) The importance of TASTE in some Khoe languages. Linguistics 50 (3).